治療院経営が失敗する5つの要因と成功に導く対策方法

治療院経営が失敗する5つの要因と成功に導く対策方法

人々の健康の促進に寄与している治療院は、生活習慣病が社会問題となっている現代において、重要な役割を担っています。しかし、治療院業界における生き残り競争は激化しており、経営に失敗して閉業する治療院も珍しくありません。閉業に陥る治療院には共通する特徴が存在するため、適切な対策を講じることで、治療院経営の失敗は避けられます。

本記事では、治療院の現状と経営が失敗する要因を明らかにした上で、治療院の経営を成功に導く対策方法について解説していきます。

治療院の経営が失敗する5つの要因

①開業前のリサーチ不足

治療院を開業する際、市場のニーズや競合施設の状況を把握することは極めて重要です。しかし、十分な市場調査を行わずに治療院を開業するケースは少なくありません。

競合施設の多い地域での開業や、患者が求めるサービスの見誤りは、自院の経営不振を招く大きな要因です。エリアごとに求められる治療院のサービスは異なるため、開業前における地域住民のニーズの把握は不可欠です。

また、競合施設との差別化も、治療院経営の成功に欠かせません。競合施設のサービス内容や価格設定、マーケティング戦略などを分析し、自院ならではの強みを明確にすることが重要です。

②不適切なサービス単価

サービス単価が低すぎる場合、患者数に比べて収益が確保できず、利益率が低下します。これにより、経営資金が不足し、事業拡大が困難になる場合があります。その上、設備や機器の修理、スタッフへの給与など、多くの観点で制約が生じてしまい、サービスの質や施設の競争力低下にもつながります。

逆にサービス単価が高すぎる場合には、新規患者の獲得やリピーターの維持が難儀です。高額な料金設定は患者に受け入れられず、需要が減少します。それにより集患力や収益性が低下して自院の競争力を失い、他の治療院に患者が流れてしまいます。

③経営知識・マネジメントスキル不足

治療院経営者が経営知識に乏しいと、事業失敗の原因になることがあります。

財務管理や人材管理、予算立案、マーケティング戦略の策定が困難になり、経営が不安定になります。収益が低下し、治療院の成長が阻害されることもあります。

また、マネジメントスキルの不足は、施術師やスタッフへの不十分な指導やチームビルディングの失敗などにつながり、スタッフの離職やサービスの質の低下につながります。

医師の施術スキルの高さと経営に関する知識は別物です。治療院を開業して、経営者となる場合、経営知識やマネジメントスキルを向上させるために、継続的に学習や経験を積み重ねる必要があります。

④集患力不足

適切なマーケティングや宣伝を怠ると、治療院の魅力が伝わらず、新規患者の獲得が難しくなります。また、競合施設が積極的に宣伝を行っている場合、自院の存在が埋もれてしまう場合が多いです。

結果として、適切な集患や宣伝をしなければ、集患数の減少や収益の低下につながり、施設の経営存続が困難になります。

⑤立地と物件の選定ミス

適切な立地を選ばなければ、いかに優れた医療サービスを提供しても、患者に選ばれる施設にはなれません。たとえば「元々所有している土地があるから」という理由だけで立地を決めるのは危険です。事業承継の場合でも、立地の良し悪しを慎重に見極めることが不可欠です。「何をやっているのか分かりにくい」「大通りから見えにくい」「入りづらい路地にある」など、立地の問題が集患力を大きく左右します。

立地選びを誤ると、自院が理想としているサービスを提供できる環境が整わない可能性が高くなります。初期費用の高さ、人口が減少している地域、通りから見えにくい場所、人通りの少なさなど、さまざまな要因が集患力に影響を与えます。

治療院の経営を成功に導く対策方法

市場調査と競合分析の実施

治療院の経営を成功に導くために、最初に行うべき取り組みは、周囲の市場環境の理解です。市場調査を行うことで、地域の患者が求めている治療やニーズが明らかにできます。

また、競合分析を通じて、近隣の治療院が提供するサービスや料金体系、マーケティング戦術を詳細に調査し、自院の強みと差別化ポイントを見つけ出します。これにより、独自性を持ったビジネスプランの策定が可能となり、市場において自院の競争優位性を確保できます。

サービス価格の見直し

サービス価格は低すぎても高すぎても利益が出ません。コストや施術品質、患者のニーズを考慮した適切なサービス単価を設定することが重要です。

価格の見直しを行う前には、全体的なコストの把握が必要です。初期投資とランニングコストはいくらで、売上はどの程度見込めるかなど、収益と費用の詳細な分析を行います。そして「損益分岐点」、つまり利益が出始めるポイントを明確にします。

料金設定を再検討する際には、業界の平均額と自院の望む売り上げを参考にして単価を決めます。ターゲットの患者が通い続けることが難しいほど施術価格が高くないか、利益を見込めないほど低くなっていないか、などの分析を行うことが望まれます。

平日早朝の予約は割引適用など、曜日や時間帯によって料金が変わるような価格設定を採用することも効果的です。また、価格を高めに設定する代わりに、高品質な施術をするというのも戦略の1つです。

経営に関する知識の習得

施術だけでなく経営に関する知識を習得することは、治療院の経営成功に不可欠です。以下の資格を取得することで、経営に関する知識を習得できます。

医療経営コンサルタント

医療経営コンサルタントは、公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会が認定している民間資格です。この資格は健全かつ安定的な医業経営、および国民医療の向上に貢献するという目的に基づいて認定されています。資格取得後も継続研修が義務付けられているので、生涯を通してスキルアップを図ることが可能です。

病院経営管理士

病院経営管理士は、一般社団法人 日本病院会が認定している民間資格です。この資格は、医師だけではなく病院経営に携わる全職種が認定対象です。病院経営に関する知識・実践力を高めることを目的としており、医療関連科目や経営管理演習といった5種類のカリキュラムを通じて学習します。

医療経営士

医療経営士は、一般社団法人 日本医療経営実践協会が認定している民間資格です。この資格は医療機関における経営者育成が目的で、3級~1級の3等級に分かれており、それぞれ受験要件や試験内容が異なります。

各等級で設定されている到達レベルは以下の通りです。

3級:医業経営に関する基礎知識

2級:中間管理職に求められる知識・問題解決能力

1級:経営幹部に求められる実践思考・意思決定能力

オンラインマーケティングの活用

治療院の経営を成功させるためには、効果的な集患が欠かせません。有効な戦略を策定し適切に実行することで、多くの潜在患者にアプローチできます。現代の治療院の経営では、オンラインでの集患施策が有効です。オンライン集患はコストパフォーマンスが高い、施策の効果を検証しやすい、リアルタイムで情報を更新できる、などのメリットがあります。以下がオンラインでの具体的な集患施策です。

リスティング広告

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて表示される広告で、検索連動型広告ともよばれます。自院に関連したキーワードを設定することで、来院意欲を持つ潜在患者にアプローチでき、新規の患者獲得につなげられます。

SNS広告

FacebookやInstagram、XなどのSNSへの広告の出稿は、近年における代表的な集患方法です。ユーザーがSNSを使用する際には、地域や性別、年齢などを登録します。また趣味、関心などの情報からも識別できるため、広告出稿の際に細かく設定することで、詳細で精度の高いターゲティングが可能です。

オウンドメディア

自院が運営するオウンドメディアを展開し、良質なコンテンツを継続して掲載することで、検索ユーザーの流入およびユーザーのファン化を促せます。一般的なオウンドメディアとしては、WebサイトやSNS、動画サイト、ブログなどが挙げられます。コンテンツの内容によって、すぐに作成できるものもあれば、インタビューなどを行い作成に時間を要するものもあるため、開業前から準備しておくことをおすすめします。

適切な立地と物件の選定

適切な立地を選ばなければ、いかに優れたサービスを提供しても、患者に選ばれる施設にはなれません。まずは立地調査から始めます。地域の人口や潜在患者数、近隣の同業者の数などを調べ、開業予定地の市場性を評価します。ターゲットとする患者と提供するサービスを明確にし、それに合った立地を選ぶことが重要です。

次に、物件の形態を検討します。一戸建てやビル内のテナント、医療モールなど、初期費用や運営コストが異なるため、自分の開業コンセプトや財務計画に合わせた物件を選びます。

さらに、実地調査を行うことをおすすめします。現地に足を運び、地域の雰囲気や人の流れ、車の流れを確認することで、公開されていない物件情報を得られる可能性もあります。

DX化の推進

DXとは、デジタル技術を活用してサービスやビジネスそのものに変革を起こすプロセスを指します。治療院におけるDX化の推進は、施設の業務効率化や患者満足度の増加など、さまざまなメリットをもたらします。

予約システムの導入

治療院のDX化において特に効果的なのが、予約システムの導入です。

治療院の予約が煩雑な場合、予約者の来院意欲を下げてしまい、患者獲得の機会を逃す可能性があります。そのため、治療院を開業する際には、事前準備として予約体制を整備しておくことが重要です。

予約システムは、予約に関する業務を効率化するだけでなく、費用削減やマーケティングの強化など、さまざまな導入メリットが存在します。また、予約システムは多くの種類が存在するため、自院に適したシステムを搭載機能などで判別することが大切です。

治療院向けの予約システムとは

治療院向けの予約システムは、治療院の予約や利用者の管理を自動で行うシステムです。予約受付における業務の効率化はもちろん、集患に役立つ機能を数多く搭載しています。ここでは、予約管理システムの導入メリットと、治療院の運営に役立つ予約システムの機能について解説します。

予約システムの導入メリット

以下は、治療院に予約管理システムを導入する上での、特に大きなメリットです。

・業務効率化
予約システムは予約受付や利用者情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な治療院の運営が実現します。

・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や利用者の情報はデータ化されるため、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。

・マーケティングの強化
予約管理システムを通じて集められる患者のデータを分析し、ターゲット市場の動向や利用者需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。

・患者体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、患者の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、患者満足度も高められます。

治療院の経営に役立つ予約システムの機能

予約システムはさまざまな種類が存在しています。それぞれ特徴が異なるため、自身の治療院に合った予約管理システムを判別することが必要です。

オンラインカード決済機能

オンラインカード決済機能は、オンライン予約時にクレジットカードで決済できる機能です。オンラインカード決済機能を活用することで、利用者は事前に医療費を支払えるため、予約当日にスタッフが要する業務の負担が軽減されます。

SNS公式アカウント機能

SNS公式アカウント機能を活用することで、予約サイト上に各種SNS公式アカウントを表示できます。リアルタイムで更新しているSNSアカウントを掲載することで、予約サイトを訪れた人へ最新の情報を伝えられます。

キャンセル待ち機能

キャンセル待ち機能は、予約が埋まっている予約枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちをしている予約者に対して通知を自動で送る機能です。治療院が求められるキャンセル待ちに関する対応の手間を省けます。

予約時アンケート機能

予約時アンケート機能は、予約時に患者へアンケートを表示する機能です。事前にアンケートを入力してもらうことで、患者の細かい要望を事前に把握でき、サービスの質の向上に繋げられます。また、アンケートにより流入経路を特定できると、今後力を入れて宣伝すべき部分が明確になり、さらなる患者獲得が可能となります。

まとめ

本記事では、治療院の経営が失敗する要因を明らかにした上で、その対策方法を紹介しました。本記事で紹介した5つの失敗要因を適切に対処することで、治療院の経営を成功させることができます。

治療院の経営でお悩みの人はぜひ、本記事を参考にしてください。

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