失敗しない針灸院の経営戦略|策定方法と知っておくべき心得を詳しく解説!

失敗しない針灸院の経営戦略|策定方法と知っておくべき心得を詳しく解説!

針を用いて体の不調を改善し、人々の健康な生活を実現する機関として、日本では現在多くの針灸院が展開されています。そんな針灸院の経営において、軸となる指針がない場合、院の経営を存続させることは困難になります。医療環境は日々変化しているため、針灸院は患者のニーズや技術の進展に敏感でなければならず、変化に適応するための戦略を策定しなければなりません。

経営戦略を打ち出すことで、限られたリソースを的確に配分し、環境の変化が激しい現代の針灸業界においても、素早く対応することが可能になります。そこで本記事では、針灸業界の現状、経営戦略の具体的な作り方、意識する心得について詳しく解説します。

針灸業界の現状

針灸業界は、近年拡大の一途をたどっています。厚生労働省の「柔道整復、はり・きゅう、マッサージ、治療用装具に係る療養費の推移(推計)」によると、針灸にかかわる療養費は、2019年度において437憶円に達しており、2011年度の352憶円から80.6%も増加しています。

また、針灸を取り扱う施術所数は、厚生労働省の「参考資料」から分かる通り、2012年度の2万3,145施術所から2020年度には3万2,103施術所と、8年間で8958施術所も増加しています。

画像引用元:厚生労働省 「参考資料」

上記のように針灸にかかわる療養費が増加し、針灸院の数が増えている現状から、針灸業界は年々拡大しているといえます。そういった状況下では、針灸院を展開する際の軸となる経営戦略が、針灸院の経営の成功を左右します。

経営戦略を策定する理由

針灸院における環境の変化が激しい昨今、多くの院がその対応に追われています。効果的な対応策の策定には、経営戦略を用いることが有効です。ここでは、経営戦略が針灸院の経営において重要である理由を、詳しく解説します。

明確な行動指針

経営戦略を策定する際には、針灸院の行動指針である経営理念(存在意義や目的)とビジョン(将来の理想像)を明確に定義します。この二つの行動指針を立てることで、院は難しい決断を迫られた際でも、適切な判断を選択することができます。

また、従業員やステークホルダーなどに、針灸院についてより理解してもらうためにも、明確な行動指針は有用です。顧客からの信用を得るだけでなく、従業員のモチベーションを高めることができ、院の成功につなげられます。

競争優位性の獲得

経営戦略では、さまざまな戦略オプションを通じて競争優位性を確立するための道筋を示します。

針灸院を存続させていく上で、競争優位性は欠かせません。競争優位は、院によって違い、診療技術の高さや診療費の安さなど、さまざまです。経営戦略を策定する中で、院の隠れた優位性を見つけ出すことができます。具体的な戦略を策定することにより、顧客に対する魅力を高め、他の院に負けない針灸院を展開することが可能です。

経営資源の効果的な配分

経営戦略を策定することで、保有資源の現状や針灸院の強みや弱みを明確に把握できるため、経営資源の適切な配分が行えます。経営資源の効率的な配分は、院の経営において、コスト削減や競争力の強化、長期的な持続可能性の向上に効果的です。また、近年は社会全体におけるデジタル化が進んでおり、針灸院はデジタル技術の活用に要する資源を確保する必要があります。

経営戦略を練ることで、経営資源を効率的に配分でき、針灸業界のデジタル化に対応できます。

針灸院における経営戦略の策定手順

1. 企業理念やビジョンを明らかにする

まずは、針灸院の経営理念とビジョンを具体化します。

企業理念は、院の存在意義や社会における使命を、普遍的な形で表したものです。一般的に企業理念は、経営者の意志や針灸院の根本となる価値観などを、長期的な視点で考えます。

経営者は「自院は何のために存在し、どういう目的で、どのような仕組みで経営を行うのか」についてステークホルダーに示し、従業員に対して行動や判断の指針を与えることが必要です。そのため、シンプルで分かりやすく、社員やステークホルダーから共感を得られる内容を意識することが、企業理念を考える上でのポイントとなります。

ビジョンは、 事業を通じて針灸院が将来的に成し遂げたいことや成し遂げたい状態を示したものです。つまり、院が目指す中期的なゴールイメージを、投資家やスタッフ、社会全体に向けて示したものになります。 一般的には、時間軸を入れて策定し、時代に合わせて変えていきます。現実的に実現度合いの高い目標を掲げることが、ビジョンを決める上での重要なポイントです。

2.外部環境を分析

次に、現実を正確に把握するために環境分析を行います。

外部環境分析は針灸院が直接コントロールしにくい外部環境のトレンドや変化の兆しを明らかにする財務分析です。市場のニーズや競争環境を把握することで、市場におけるチャンスや不安要素の発見につながります。

外部環境分析のポイントは、フレームワークを複数用いることです。一般的なフレームワークはそれぞれシンプルな構成のため、単体ではうまく機能しない可能性があります。フレームごとの定義が曖昧で、事象の分類分けが正確でなかったり、抜け漏れが多く、抜本的な戦略を立案できなかった事例も少なくありません。複数のフレームワークを活用することで、それらのリスクを減らすことが可能です。

以下が針灸院における代表的な外部環境分析のフレームワークになります。

  • PEST分析:Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)という4つの外部環境が分析対象です。技術革新や法改正など、針灸院を取り巻く大きな環境要因を把握できます。
  • ファイブフォース分析:業界内での競争、業界への新規参入者、代替品の存在、顧客の交渉力、サプライヤーの交渉力という5つの脅威を分析にも用います。いずれも収益に直結する要素であることが共通項です。

3.内部環境を分析

外部環境の次は、針灸院の内部環境を分析します。

内部環境分析は、針灸院でコントロールできる経営資源が分析の対象です。経営資源や自社の構造上の強みや弱みを把握することにより、院にとってのビジネスチャンスを見つけられます。

内部環境分析では、スタッフからのフィードバックの収集が不可欠です。実際の業務を通じた具体的な洞察を得ることができ、院の内部環境のより深い理解につなげられます。

以下が針灸院における代表的な内部環境分析のフレームワークです。

  • 3C分析:Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)、という3つの「C」について分析し、院にとっての成功要因を見つけ出せます。上記の順に分析することが意識すべきポイントです。
  • SWOT分析:Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素が分析の際の要素です。針灸院の改善点や伸ばすべきポイント、将来的なリスクなどを見つけることができるフレームワークです。SWOTではなくTOWS(またはTOSW)の順に分析することで、より効果を高められます。

4.戦略オプションの立案と戦略の決定

環境分析が完了すると、戦略オプションの立案と戦略の決定に移行します。

戦略オプションには、市場進出の方法や針灸院のポジショニング、顧客ターゲティングなどが含まれます。なお、戦略は院の経営理念とビジョンにマッチしたものであることが、決定する際の心得です。

以下が針灸院における代表的な経営戦略のフレームワークです。

  • 多角化戦略
    多角化戦略は、針灸院が保有している技術やノウハウを活かしながら、新たな事業領域に進出する戦略です。既存事業と異なる市場に参入することで、収益の多角化やリスクの分散を図ることができます。
  • 差別化戦略
    差別化戦略は、競合院との差異化を図り、独自の付加価値を提供することで市場での競争優位性を確立する戦略です。差別化要因には、提供する施術内容やターゲット、アフターサービスなどが挙げられます。他の院には真似できない独自性を作ることが、差別化戦略においてなによりも重要です。
  • ニッチ戦略
    ニッチ戦略は、限られた市場セグメントや特定の顧客層に焦点を絞り、そのニーズに特化した診療やサービスを提供する戦略です。大手針灸院が手を出しづらい小さな市場をターゲットとするため、競争を避けながら市場シェアを独占できる可能性を秘めています。

5.戦略オプションのレビュー

設定した期間終了後に、期待した効果が上がったか確認します。うまくいかなかった場合は、その原因を究明し、必要に応じて修正案を考えます。場合によっては経営理念やビジョンの決定や、環境分析から再スタートすることも必要です。

以上のサイクルを繰り返すことで、針灸院の経営を成功に導けます。

経営戦略において欠かせないキーワード

ここでは、経営戦略を策定する上で欠かせないキーワードをまとめました。下記のキーワードを経営戦略を考える際に意識することで、より質の高い戦略を立てられます。

コア・コンピタンス

コア・コンピタンスとは、他の針灸院に真似できない核となる強みのことで、競争優位の源泉となります。針灸院におけるコア・コンピタンスは、具体的に以下の3つの能力を含みます。

  1. 顧客に利益をもたらす能力
  2. 競合の針灸院に模倣されにくい能力
  3. 複数の市場に推進できる能力

針灸院の経営戦略を策定する際に、コア・コンピタンスを意識することで、針灸業界での競争優位性の獲得につながります。

イノベーション

イノベーションとは、革新あるいは技術革新を意味する言葉です。針灸院の活動に、従来と異なる非連続的な発想や技術を導入することで、それまでになかった問題解決の手法を生みだすことにつなげられます。

針灸院におけるイノベーションの代表的なタイプは以下の通りです。

  • 破壊的イノベーション:新たな技術革新より生み出された診療法やサービスが、新たな市場の開拓を可能とすること
  • 持続的イノベーション:針灸院の高い技術力により診療やサービスに高付加価値を付け、既存市場で求められている価値を向上させること
  • オープン・イノベーション:自院の技術だけでなく、業種や分野を超えた他企業の知識や技術を集約させ、新たな診療方法やサービスの提供を行なうこと

インテグリティ

インテグリティは、「誠実」「真摯」「高潔」などの概念を意味する言葉です。近年、組織を率いる経営者や企業そのものに対して、誠実さが求められています。

針灸院の行動や決定が、常に高い道徳性と誠実さを反映するように努力することで、針灸院はステークホルダーとの信頼関係を強化でき、院の持続可能な成長につなげられます。

SDGs

SDGs(Sustainable Development Goals:エスディージーズ)は、日本語で「持続可能な開発目標」と訳されます。国際連合によって定められたSDGsでは、持続可能な世界の実現を目指して、17の目標と169のターゲットが設定されています。

現在、SDGは日本国内におけるビジネスの世界で大きく注目されているため、経営戦略を策定する際にも、意識して取り組むことが求められます。

DX(デジタルフォーメーション)

DX(デジタルフォーメーション)とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応するためにデジタル技術を活用し、自社の競争力を高めることを指します。

DXは、これまで人が行っていた作業をコンピュータに任せ、コスト削減や業務効率化を図るだけではありません。人の手では難しく、現実的に難しかったことも、AIなどのデジタル技術を活用により、実現することができます。

針灸院では予約受付から顧客管理、診療やマーケティングまで、あらゆる場面においてDXによる改善が見込めます。そのためDXは、針灸院の経営戦略を策定する上で考慮しておくべき重要なポイントです。

針灸院の予約システムとは

針灸院のDXにおいて、予約システムの導入が特に有用です。院における業務の効率化はもちろん、集客に役立つ機能を数多く搭載しています。ここでは、予約システムの導入メリットと、針灸院に役立つ予約システムの機能について解説します。

針灸院における予約システムのメリット

予約システムを導入することで、針灸院の無人受付において大きな手助けとなります。以下は、そのなかでも特に効果的なメリットです。

・業務効率化
予約システムは予約受付や顧客情報を自動で管理します。人の手により紙やExcelで管理する必要がありません。書き間違いや聞き間違いなどの人為的ミスも発生しなくなり、正確で効率的な針灸院の運営が実現します。

・費用削減
予約システムの自動管理機能は、費用の削減にも効果的です。予約や顧客の情報はデータ化されるため、大量の紙や管理するスタッフに費やしていた経費は低減されます。

・マーケティングの強化
予約システムを通じて集められる顧客データを分析し、ターゲット市場の動向や顧客需要を把握することができます。このデータを基に、効果的なマーケティング戦略を立案可能です。

・顧客体験の向上
予約の確認や変更をオンラインでかんたんに行えることで、顧客の利便性が向上します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付が実現し、顧客満足度も高められます。

針灸院に役立つ予約システムの機能

予約システムは数多く存在しており、それぞれ搭載している機能は違います。下記に、針灸院に役立つ予約システムの機能を紹介します。

  • カルテ機能
    カルテ機能は、予約ごとに顧客対応時の記録や、顧客の特記事項などを記録できる機能です。予約や顧客情報の管理、施術当日のカルテ記入などの業務など、あらゆる面で業務を効率化できます。
  • クーポン機能
    クーポン機能は、予約促進に役立つ割引クーポンを、予約システムから手軽に発行できる機能です。来院率の向上や、顧客ロイヤリティの向上に役立ちます。
  • キャンセル待ち機能
    キャンセル待ち機能は、予約が埋まっている予約枠にキャンセルが生じた際、キャンセル待ちをしている予約者に対して自動で通知する機能です。顧客獲得の機会を逃さず、効率的な針灸院の経営を実現します。
  • 多言語設定機能
    多言語設定機能は、予約サイトの文言を対応している外国語表示に切り替えられる機能です。日本語力が十分でない外国人顧客に向けた予約サイトを作成できるため、さらなる顧客獲得につなげられます。

まとめ

今回は、針灸院における経営戦略の策定方法と、知っておくべき心得について解説しました。

針灸院を経営する際には、経営戦略の策定が不可欠です。5つの手順をサイクル化することで、針灸院の経営を成功に導くことができます。また、経営戦略を考える際にはコア・コンピタンスやイノベーション、インテグリティ、SDGsやDXという、5つのキーワードを意識することが大切です。特にDXでは、予約システムの導入が有用で、針灸院の運営において大いに役立ちます。

針灸院の運営で悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

また、経営戦略を策定した後に、具体的な集客方法を考える際は以下の記事も役立てられます。
>>針灸院における効果的な集客方法を詳しく解説!

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